行動する「うつ」へ: 自助努力とうつ社会のサバイバル法

著者 :
  • 日本評論社 (2009年7月1日発売)
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感想 : 2
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後書きがひどい。東北人と躁鬱病の人に恨みが残っている様子。

しかし。うつ病の治療法で10年間かかっても十分に治らず(もの書きの仕事はできる状態だが通院が月2回必要とのこと)、肉親に罹患した人がいて、当人に躁のエピソードがある(『うつは薬で治らない』参照)。

ご自身の双極性障害の可能性ときちんと向き合うべきでは?

前の方もよくない。

67ページである皇室の方に向けて、うつ病とカミングアウトすれば回復が進んでご公務にはげむことができるようになる、と書いている。「うつ」がカミングアウトぐらいでそんな著しく改善するわけがない。この人はこれまでうつ病の何を見てきたのか。勝手に病気を診断した上に不確かな助言を得意げにするとか何様ですか。

75ページで抗うつ薬が元は胃潰瘍の薬だったと書いてあるが明らかに間違い。

50年代、結核の薬で、患者の気分が高揚する効果が見られたのでうつ病に処方されるようになったのがMAO阻害剤。今はあまり使われていない。

今主流の抗うつ薬の元祖は同じく50年代に発見されたイミプラミン。クロルプロマジンの統合失調症への効果が明らかになったため、同様の構造をもつ薬として作られ、うつ病への効果が認められて抗うつ薬となた。

胃潰瘍の薬から抗うつ薬、抗精神病薬になったのはスルピリドだが、最初の抗うつ薬ではないし、抗うつ薬として使われているのは日本ぐらい。アメリカでは認可もされていない。

人に取材してその人の主張をとりまとめたところはよくできているが、それ以外のところでいいかげんだったり、私怨だだもれだったり。こういう本に多く★はやれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: メンタルヘルス
感想投稿日 : 2011年1月25日
読了日 : 2011年1月24日
本棚登録日 : 2010年12月16日

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