すげえ面白かった。日露戦争における資金調達の模様を、当時日銀副総裁としてロンドンで実際に調達に奔走した高橋是清の動きを中心に紐解いていく。当時の国際金融市場の様子、日本の立ち位置、いかにして絶望的な状況から資金調達に成功し日露戦争勝利へ向かっていくのか、証券価格の推移と戦況を絡めてリアリティのある考察がなされている。具体的なお金の動きが絡むとすごく物事がビビットになるんやなと思った。単純に現存する資料をまとめているに留まらず、時節筆者の鋭い推論が展開されてて歴史の解釈ってのはこういうもんなのかと感心した。一流の登場人物たちはそれぞれ魅力的だが、ユニークな経歴と高いリレーション能力で日本の土台(資金)を土壇場で支えた高橋是清にはもっと辿りたい興味が湧いた。
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- 感想投稿日 : 2019年8月23日
- 読了日 : 2019年8月23日
- 本棚登録日 : 2019年8月11日
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