ストーリーはタイトルそのまま。まさに「神様のパズル」を解いてゆく話なのですが、どの切り口から解いてゆくのかというと、神も神!宇宙創世を人の手で成し得るのだろうか?というテーマがメイン。必然的に内容は物理学やらが中心になり、専門用語が容赦なく放り込まれているのですが、語り手として役を振られている人物がクッションとなって、難解さは減らされているかと。『宇宙を人が作ることはできるのか?』この問題に立ち向かうのは天才といわれ、幼い頃から周囲に期待を背負わされてきた少女と、語り手である落ちこぼれ大学生。宇宙創世に天才少女は執拗に執着する様を見せるのですが、それは天才ゆえの探究心ではなく、寧ろ天才といわれてきたゆえの自己存在への証を求める心の現われだというところに『竜の柩』の鹿角を思い起こしました。久しぶりに当たりかなと思った一冊。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
SF・ファンタジィ
- 感想投稿日 : 2005年7月16日
- 読了日 : 2005年7月16日
- 本棚登録日 : 2005年7月16日
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