病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解

  • 新曜社 (2001年4月15日発売)
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感想 : 22
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何故人は病気になるのか。
風邪をひかず、老いを知らず、子孫に遺伝病を残さない人間は何故生まれないのか。
この単純だが奥深い疑問に対して進化医学という視点からアプローチしたのがこの一冊。

進化医学というだけあって部類としては医学書になるのだが、作者が序章で述べているように、多くの人に理解してもらえるように注意して書かれている。なんとも読みやすい!医学書なんて難しそうと考えている人はまずはその偏見を払拭して読んでみてほしい。


恐らく、日本のような医療の発展した社会においてでも、病気に対する恐怖心をまったく抱いていない人はいないだろう。そして、そのなかの少数しか病気がどのようなメカニズムで発生するのかを知らず、さらにそのなかの少数しか病気が何故存在しているのかを知らない。
つまり思うに、多くの人は病気を“理不尽”なものとしてとらえているのではないだろうか。

そして、本書を読むとそのような認識が一変するに違いない。何故なら、病気が存在する理由がわかるからだ。理由がわかれば病気は理不尽な存在ではなくなる。個人的な感想としては病気がただ恐怖すべき対象ではなくなった。

病気に対する恐怖心を持っているのであれば、是非とも一読してもらいたいと思える良書であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 医学
感想投稿日 : 2012年2月21日
読了日 : 2011年10月16日
本棚登録日 : 2012年2月21日

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