按針 (ハヤカワ時代ミステリ文庫)

著者 :
  • 早川書房 (2020年4月10日発売)
4.00
  • (1)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 46
感想 : 2
4

2020年4月発行。
498ページに及ぶ長編の文庫だ。

時代は、豊臣秀吉が死んでからのこと。
徳川家康が次の殿上人となるであろうと認められつつあった。

そんな時にオランダ船で5艘の船団を組んでオランダを出発したのは、

日本と交易をしようと言う目論みであった。
御多分にもれず、旅は困難を極めた、天候ばかりでなく、

水や食料を求めた島では反対に襲われ何十人もの船員を殺される。

食料がつき、船自体もボロボロな状態でしかもたったの一艘で豊後の港につく。

そこから航海士ウィリアムアダムスの人生が大きく変わる。


先見の明があった徳川家康に重用されるきっかけも、素晴らしい。

歴史の中で家康の哲学がアダムスを日本人にした。

実に読み応えがあり、素晴らしい作品だった。

読む楽しみがなくなってしまうので詳しくは書けないが、

当時の世界情勢、日本が占領されなかった理由、

世界は日本の何を欲していたか、日本の中の話であって、実は世界の話でも。

家族愛も伏線として綴られている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年10月28日
読了日 : 2020年10月28日
本棚登録日 : 2020年10月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする