みんなの感想がちょっと辛口だったので期待せずに観ましたが、結構おもしろく見れました。自主制作ドキュメンタリーというよりはちゃんと映画として綺麗にテンポ良く撮られていますが、合間にちらっと入る主人公の職業(カメラマン)でその理由が説明されているのでしょう。
やっぱり初めに取り出すのは衣服なんですね。そらそうか。「服で身を包むのは気持ちがいい」というのは、当たり前のようで印象的なセリフ。モノが豊かな現代において、衣服というのは、気候に適応することに加えて「自分がどういう人かを主張するためのアイテム」という性格が強いが、生理的な心地よさがあるのだなと分かる。
次には寝具。これもそりゃそうですね。健康を維持するために必要なアイテムです。掃除アイテムは全然出てきませんでしたが、これは僕なら耐えられんな。。。笑
かわいい従弟との会話が良い。以下ニュアンスですが、
「テレビもPCも携帯もないなんて、何してるの?」
「何もしてない」
「床に座ってボーっとしてるの?絶対退屈だよ」
「そんなことないよ」
全体を通して、モノがなくなってから、主人公が紙に何かを書きつけるシーンがよく出てきます。時間がないからこそ、物思いに耽り、頭にふっと浮かんだアレコレをノートに書いているのでしょう。
ガールフレンドができる前あたりで、物を修理する楽しみを覚えているところも印象的です。洗濯機を直したり(直せてなかったけど)、カーテンを直したり(壊したけど)、自転車のロックを切ったり(これは成功)。あとは料理もよくしてましたね。魚をさばいているシーンモありました。男性には簡単ではないでしょう。彼女の趣味であるアウトドアに合わせて、キャンプも「新しい経験」として楽しんでいました。
手作業で何かを生み出したり、直したり、自ら学び経験する作業は本質的に楽しいんですよね。それが効率的であろうがなかろうが。私はコンサルタントという仕事をしているので、効率性・合理性を何より重んじている節がありますが、やはり、家の掃除を業者に頼んでもらったりすると、どこか味気ない・・・大変でも自分でやってみる方が楽しいし、充実感があることを感じます。
最後に、やはり主人公が幸せを感じているのは、家族であったり、友人であったり、恋人であったりとのやり取りなんだなと感じました。コロナの影響で家にいる時間が増えましたが、やはり達成感や充実感を得られるのは、仕事で人の役に立ったり、感謝されたりする瞬間だなと感じます。インタラクティブなしに幸せはないんだなと再認識できた映画でした。
- 感想投稿日 : 2020年5月16日
- 読了日 : 2020年5月16日
- 本棚登録日 : 2020年5月16日
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