万引き家族 通常版DVD(特典なし) [DVD]

監督 : 是枝裕和 
出演 : リリー・フランキー  安藤サクラ 
  • ポニーキャニオン
3.79
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本棚登録 : 954
感想 : 232
5

普段洋画ばかり見ており、どこか邦画には斜に構えたところがあるのですが、すみません、舐めてました。思い出しても鳥肌の立つような素晴らしい演技の連続でした。

特には、やはりメインのリリーフランキー(治)と安藤サクラ(信代)。恥ずかしながら、安藤サクラは全く知らなかったのですが(見たことあるなぁ程度)、日本にはこんな素晴らしい俳優がいるのですね。
ラストの、信代と警察?とのやり取り。「なんだろうね………なんだろうね………」にはどうしようもなく胸が締め付けられました。
あと、祥太が家に泊まりに来るシーン。祥太が「今日は泊まっていこうかなぁ」と話したときの、治の嬉しそうな表情。雪だるま作り。バスの中から、声に出さずに「お父さん」とつぶやく。

重いテーマを扱っているにもかかわらず、観る人にそこまでストレスを与えない軽やかな撮り方をしているところが、この映画が広く受け入れられた理由だろう。

しかし、一つ一つのシーンを深読みしていくと(詳しくは考察サイトを見てみてください)、思い返すほどに重い気持ちになります。例えば、スイミーの話をするシーン。そうだよね、スイミーって、小学2年生の教科書なんだよな。もう祥太は小学5-6年生の歳だろうか。

どんなに愛情に溢れて接してもらえたとしても、俯瞰的にみると、「緩やかな虐待」になっていることを忘れてはいけない。この映画は、「ほらーやっぱり貧乏だけど元のみんながいいんだよね!」みたいなお気楽な感想は期待されていない。

だとしても、だとしてもだ。やはり、リンをあのネグレクト家庭に戻して欲しくなかった。なぜ誰一人、「家族」であった皆はそれを警察に言わなかったのか?「言わなかった」のではない、「言えなかった」のだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月30日
読了日 : 2019年7月22日
本棚登録日 : 2019年7月22日

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