ナニワ金融道(2) (講談社漫画文庫)

著者 :
  • 講談社 (1999年3月12日発売)
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感想 : 13
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【粗筋・概要】
市議会選挙費用を帝国金融に借りた古井藤四郎編の後半(24発目「サインひとつで自宅がパー?」から28発目「文句がなければすべて良し!」)、恋人のために連帯保証人になり、果てはその借金の返済のためにフロ屋に沈む三宅律子編(29発目「金を借りてはならない男
」から39発目「地獄の底の男と女!!」)、盗まれた祝儀の穴埋めに150万円を借り、その返済にクレジットカードを使い多重債務者になる泥沼亀之助と、灰原の考えだしたダイヤルQ2による100%確実な債権回収法に夢を見た薄井毛利男編(40発目「左遷覚悟でツマム金!!」から51発目「溺れる泥沼、灰原を掴む!」)を収録。

【感想】
帝国金融のメインの顧客は資金繰りに困っている中小企業であるため、帝国金融は金銭を貸す際には、債務者に手形を振り出させる(これを手形貸付という)。古井は市議会議員であると同時に呉服屋を営んでいるため、選挙資金の5,000万円を帝国金融から借りるときに手形を振り出している。さらに、古井は、子分の公務員猫田と甲守を騙し、手形の譲渡がないにも関わらず、二人に手形の裏書人として署名させる。善意の手形の所持人は手形の振出人が手形金を支払えず不渡りを出した場合、裏書人に手形金の支払いを請求できる。このような手形の担保的効力を悪用(猫田と甲守を裏書人にしたのは、帝国金融の入れ知恵)し、帝国金融はまんまと債権を回収する。猫田と甲守は帝国金融と同じ穴の狢であるため同情はしないが、手形における善意の手形所持人に対する手厚い保護は問題だと実感した。

この漫画は金融だけではなく、それ以外の裏事情(ソープランドの面接において一度は綺麗事を云って採用を断り、再度戻ってくるかで女の子の決意の程度を測るという手法など)が描かれていて興味深い。

2008年3月29日読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2011年6月19日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年6月19日

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