地球の未来のため僕が決断したこと

  • 早川書房 (2021年8月18日発売)
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超一流の人間には超一級の情報量、思考力、行動力(etc…)が搭載されていた。

地球温暖化に関する記事がつい先日回覧板でまわってきた。聞き覚えのある弊害に「ゼロカーボン化計画」とどこの自治体でも言ってそうな表明。そんな情報の羅列がゲイツ氏の最新著書でようやく実体化された。(技術者だから解決手段を具体的に紹介してくれたおかげでイメージしやすかったのかも)

環境問題と貧困を関連づける発想はなかった。将来自分達が見るであろう痛い目を既に10億人が経験済みなのは脅威でしかない。回覧板の記事によると、ここらの平均気温は‘80年-’21年にかけて2℃上昇しているという。その気温上昇が地球規模だと「温暖化だなー」では勿論済まない。開始早々緊張感が芽生えた。

新しいエネルギー源を取り入れるのに何十年も要したり、激安な化石燃料を卒業してクリーンな資源でカバーするのも容易じゃなかったりと色々もどかしい。グリーン・プレミアムも必要費なんだろうけど邪魔くさい…

・生活様式も丸ごと変えなきゃいけないのでは?
・手段がどれも目新しいというか、未来めいているけど本当に実現するのか?
とかギリギリついて行きつつも、リアリティを見失ってしまうことも。

それでも著者は数字や実例を駆使しながら「実現可能」をリピートする。
「クレイジーなアイデアに賭けるのを恐れてはいけない」
問題提起が程よく挟まれ、自分みたいに目が慣れてくるとふにゃふにゃ流し読みしちゃうのを何気に防止してくれる笑 各章のラストで綺麗におさらいしてくれるのも嬉しい。

個人的に一番興味を持てたのが第4章の「電気を使う」。(電気については4章以外でも手厚く取り上げられている)初耳&画期的な発電方法も紹介されていて、これは知っておいても損はないはず…筆者みたいに発電所の仕組みを見ておくのも面白いかもしれない!

「テクノロジーの巨人」が地球や子孫、今を崖っぷちで生きる貧困国を心に留めて、世界中を飛び回り絞り出した知恵を授けてくれたってところか。アメリカ目線だったり分かりにくい事もありはしたけど、読後改めて回覧板の記事に目を通してみたら重みが明らかに違っていた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月18日
読了日 : 2021年12月18日
本棚登録日 : 2021年12月18日

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