アフガニスタンの仏像破壊についてニュースで聞いたとき、貴重な文化を易々と破壊するタリバンへの怒りが湧いた。
しかし、その怒りをなぜアフガニスタンの土地は干魃にさらされ、人々が飢餓に苦しみなくなっている事実に向けないのか。
世界の薄情さ、無関心さを糾弾したタイトルに衝撃を受けた。
「ついに私は仏像は誰かに破壊されたのでもないという結論に達した。仏像は、恥辱のために崩れ落ちたのだ。アフガニスタンの虐げられた人びとに対し世界がここまで無関心であることを恥じ、自らの偉大さなど何の足しにもならないと知って砕けたのだ。」
本書はアフガニスタンのレポ的な内容である。
映画監督であるからか、文章が非常に感情に訴えてくる。
読みながら、自分自身の無知と無関心に気づかされ、あの非道なタリバンも、貧困と飢えから逃れるためにテロ行為を行っていたのだということに気づく。
そのタリバンに武力で持って報復をした世界。
そこでは飢え苦しむ人びとが何人亡くなったのだろう。
世界に声すらあげられない人々の現状を、
映画監督の感性と、詩的表現で読ませる。
すぐに読めるが、内容はかなり濃い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
教育 新
- 感想投稿日 : 2022年4月16日
- 読了日 : 2022年4月16日
- 本棚登録日 : 2022年4月12日
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