中卒のお父さんが、娘を難関中学に受験させるという、なんとも破天荒な話。
それも塾頼みではなく、親塾と称してお父さん本人が教える役となるため、猛勉強をするのだから凄い。
中卒とは思えないほどのウィットに富んだ文章力で、するする読める。
これがこの1年と5ヶ月の成果なのか。
途中何度か涙ぐみながら読みました。
頭も体も限界まで使い果たして、父と娘で一つの目標に向けて努力をし続ける。
これ以上できないと言うところまで頑張り続ける。
そうした姿そのものも感動するんですけど、一緒に走り続けたことで、受験中の娘の心中を慮るお父さんの気持ちや、勉強の面白さ、勉強の重要性を知るお父さんが、失われた過去、戻れない昔を思い涙する気持ちに胸が痛みました。
私自身も、過去に頑張れなかった人間。
今は学ぶことの面白さを知ったけれど、あのときは頭の中がむちゃくちゃで、勉強なんて出来なかった。
すごく、共感しながら読んでいました。
努力や根性なんて古いと言われるのかもしれないけれど、身と心を削ってでしか得られないものがあって、自然と涙腺にくる。
勉強することの本質や、お父さんの独自の戦略も面白く読めた。
物事の本質をついた分析で、ハッとさせられるフレーズも多い。
子供をやる気にさせる親の言葉は、子育てをする人にも響くと思います。
とにかく完走したことが本当にすごい。
お父さんも娘も。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年5月1日
- 読了日 : 2021年5月1日
- 本棚登録日 : 2016年4月29日
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