触法少女 誘悪 (徳間文庫 ひ 25-4)

  • 徳間書店 (2018年2月7日発売)
3.26
  • (4)
  • (7)
  • (23)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 114
感想 : 17
3

最悪な虐待は親による子ども殺しとあったけど、まさか虐待と無縁だった里実に降り掛かるというのはやりきれない。花器子が里実と自分の母親の殺人を求めたとき、朝霧が九子に晴子のことを「お母さんという呼称がつくと、ちゃんとしてるみたいだけれど、そんなもの、外したら、ただの若い女かおばさんなのよ。常識もなければ、自分のことしか考えられない、そんな母親はいくらでもいるわ。井村里実が事件を起こした後の対応は、世間知らずそのものでしょう。あなたに対しても‥‥‥」と言う。それは最悪なカタチで現実になってしまう。オイラとしてはネット社会やネット住民に対する気味悪さよりも肉親が大人になってないじゃんか、という気味悪さが強かった。ネット社会になっていなくても世の中はきっと大人らしくない大人が溢れていることには変わらないんじゃないかな。オイラも含めて。だからこうしたものが物語になるんだろうけど。ところで、朝霧が退院直後から九子に近寄った根拠がよくわからない。花器子が里実を屋上から突き落としたのは自分だと言う必要性がわからない。オイラの読解力なんだろうけど、こういうときこそネットに頼って解説を探してみよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年9月22日
読了日 : 2018年9月22日
本棚登録日 : 2018年9月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする