初めて読む、寺地はるなさん。
静かに、でもしっかりと心に沁みる文章。
大好きな作品になりました。
ガラス工房を営む祖父の死後、工房を受け継いだ兄妹の10年間の物語。
ガラスの骨壷を制作する兄の道と、それに反対する妹の羽衣子。
子供の頃から互いの事を理解できず、あまり良好な関係とは言えない二人。
それでも互いに、自分にはない良いところを認め、時には嫉妬心を抱きながらも尊敬し合う。
そんな二人がガラス工房で共に過ごすうちに、成長し認め合っていく様子にじんわりと胸が熱くなります。
羽衣子の小さな心の動きまでを丁寧に描いているのに、どこかさらっとした文章が、なんとも心地よいのです。
終章の「おはよう」「おはよう」と言い合う場面、そしてあっさりとしたラストがまた絶妙で好き。
昨年義父が亡くなった際に、手元供養とか手のひらサイズの骨壷があることを知り、へぇーと思っていました。
道の作る吹きガラスの骨壷は、大切な人を亡くした人の心に寄り添う温かな存在なのかなと想像します。
この一冊の中には、心に響く言葉がたくさんあります。
その中のひとつ
「新しいことは、いつだってとても静かにはじまる」
ちょっとワクワクしませんか?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2023
- 感想投稿日 : 2023年3月19日
- 読了日 : 2023年3月19日
- 本棚登録日 : 2023年3月19日
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コメント 6件
いるかさんのコメント
2023/03/20
aoi-soraさんのコメント
2023/03/20
Manideさんのコメント
2023/09/06
aoi-soraさんのコメント
2023/09/06
Manideさんのコメント
2023/09/06
aoi-soraさんのコメント
2023/09/06