ガラスの海を渡る舟

著者 :
  • PHP研究所 (2021年9月10日発売)
4.04
  • (342)
  • (551)
  • (235)
  • (25)
  • (3)
本棚登録 : 5107
感想 : 376
5

初めて読む、寺地はるなさん。
静かに、でもしっかりと心に沁みる文章。
大好きな作品になりました。

ガラス工房を営む祖父の死後、工房を受け継いだ兄妹の10年間の物語。
ガラスの骨壷を制作する兄の道と、それに反対する妹の羽衣子。
子供の頃から互いの事を理解できず、あまり良好な関係とは言えない二人。
それでも互いに、自分にはない良いところを認め、時には嫉妬心を抱きながらも尊敬し合う。
そんな二人がガラス工房で共に過ごすうちに、成長し認め合っていく様子にじんわりと胸が熱くなります。

羽衣子の小さな心の動きまでを丁寧に描いているのに、どこかさらっとした文章が、なんとも心地よいのです。
終章の「おはよう」「おはよう」と言い合う場面、そしてあっさりとしたラストがまた絶妙で好き。


昨年義父が亡くなった際に、手元供養とか手のひらサイズの骨壷があることを知り、へぇーと思っていました。
道の作る吹きガラスの骨壷は、大切な人を亡くした人の心に寄り添う温かな存在なのかなと想像します。

この一冊の中には、心に響く言葉がたくさんあります。
その中のひとつ
「新しいことは、いつだってとても静かにはじまる」
ちょっとワクワクしませんか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2023
感想投稿日 : 2023年3月19日
読了日 : 2023年3月19日
本棚登録日 : 2023年3月19日

みんなの感想をみる

コメント 6件

いるかさんのコメント
2023/03/20

aoi-soraさん おはようございます。

素敵なレビュー ありがとうございます。
すごく興味があります。
私も読んでみたいと思います。
ありがとうございます。

aoi-soraさんのコメント
2023/03/20

いるかさん、こんにちは♪

この本、とても良かったですよ^⁠_⁠^
読み終えて改めて表紙を見たら、
あぁ、なんて素敵なイラストと題名なんだろう
と感動しました!
これからはガラス細工の作品を見つけたら、興味を持ってじっくり見ちゃいそうです。

Manideさんのコメント
2023/09/06

aoiさん、こんばんは〜

今更ですけど、この作品いいですよね。
すごい共感。

わたし、影響を受けやすいんですが、7月末にガラス工房にいって、グラスを作ってきました。
( ❝̆ ·̫̮ ❝̆ )✧

ほんと、とにかく、釜があつくて、
かなり泣きそうな感じでした。

ほとんど、スタッフさんが作った感じ(手を添えるか、口で吹くだけ)でしたが、なかなか面白かったです。
出来上がったグラスが届いて、ちょっと、いい感じです。

aoi-soraさんのコメント
2023/09/06

Manideさん
ガラス工房!!
私もやってみたい!!
でも私って何やってもセンスなくて(^^ゞ
おそらく失敗するか、諦めるかになりそうではあります(T_T)
手作りのグラスは使ってますか?
毎日が少しワクワクしますね♪

Manideさんのコメント
2023/09/06

レスが早い(^-^)

そう、使っちゃうんですよね〜
単純な人間は、、、嬉しくて。

最近は、シャンディーガフにハマっているので、ビールとジンジャーエールをいれて、一人楽しんでます。

誰でもできますよ〜、
ほぼお店の人が作る感じだから(笑)

今度、さりげなく、アカウント画像を作ったグラスに変えておきます。
(*☌ᴗ☌)。*゚楽しみにしててください。

aoi-soraさんのコメント
2023/09/06

オシャレですね~(⁠人⁠*⁠´⁠∀⁠`⁠)⁠。⁠*゚⁠+
画像、楽しみにします♪

ツイートする