ダレン・シャン1 奇怪なサーカス

  • 小学館 (2001年6月14日発売)
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感想 : 420
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ハリーポッターに続き、世に広まったダークファンタジー、という認識しかなかったシリーズ。何故に読もうと思ったかといえば、今度参加している集まりで子供達の読書感想文のお手伝いをすることになりまして、そこに参加してくれる一人がこのシリーズで読書感想文を書きたいと言っていて、それならこれを期に読んでみよう!と思ったのです。

ひとりの、ちょっと悪ぶり、成績はまあまあ、妹とは仲が良く、友人たちはやんちゃの盛り、サッカーが大好きで得点屋の主人公はみんなから名前を呼ばれる。
彼の名前が、ダレンシャン。
ある日悪友たちのひとりがフリークサーカスのチラシを持ってくる。
それを見に行きたくて、悪友のなかで一番の親友のスティーブと夜に出かけていく。
そこで本物のバンパイアに出会い、彼にスティーブが仲間にしてくれるように頼みこむ場面をみてしまう。そしてそれとは別に、ダレンの心の中にはバンパイアが所有している大きな蜘蛛に魅了されてしまう。
その蜘蛛の毒にやられて病院に運ばれるスティーブだけれど、バンパイアの所有するような蜘蛛の毒など人間に分かるわけがなく、彼はどんどんと衰弱していく。
親友を助けるべく、ダレンは自分を差し出してバンパイアに助けを求める。
なんとか助かるスティーブだったけれど、その代償はあまりに大きかった。
人間としてのすべてを捨てて、ダレンはバンパイアとして生きていく一歩を踏み出す。そしてそれは、親友との永遠の決別の一歩でもあった。

あ、ここで終わるんだ。
そしてこれがハリーほど一般に浸透しなかった理由がよく分かった。
ハリーほどの世界の描き込みはなく、主人公のばっさりいうと普通の悪ガキのダレンの目線で描かれる自分たちの色鮮やかな世界から、夜の異形の生き物たちの世界への移行は色をどんどん失っていく。
感情移入ができる人物はいなかったけれど、妹がめちゃくちゃいい子で、好き。
あとバンパイアの哀愁が滲むのがいいな。ここからもっとこれが深い色に成っていくといいなとと思う。
妹、これからも物語に噛んでくるんじゃないかな~と思ったり。
さて、二巻を借りてこよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 少年
感想投稿日 : 2023年7月3日
読了日 : 2023年7月2日
本棚登録日 : 2023年7月2日

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