糞尿譚・厚物咲…昭和12年、13年…しょうがないのかな。なんだろう、このどうしようもない人生を必死に生きながらもどんどん深みに落ちていくような人間の、男の業。思わず顔をそむけたくなるような2編。糞尿譚は例えでなく、ほんとにし尿処理事業者の話。すべてが水洗になってしまった今となっては遠い昔の物語ですね。厚物咲は菊の花のことだけど、ほんとに主人公の友人の生き様には吐きそうになってしまった…。救われたのは最後に秋の果樹園の丘から主人公がその異常さ(としてくれてほっとした)を回顧するシーンがあったこと。少しだけ気持ちに涼風が吹いた気がした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
芥川賞
- 感想投稿日 : 2019年3月8日
- 読了日 : 2019年2月21日
- 本棚登録日 : 2019年3月8日
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