オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

  • 技術評論社 (2020年6月5日発売)
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感想 : 24

オブジェクト指向というと、ソフトウェア開発の一つでUIとは結びつかないような気もしたけど、読んでみるととても大事な概念だと気づいた。
オブジェクト指向というと、継承だとかポリモーフィズムだとかカプセル化だとか言われるけど、そういうことじゃないよなと。ずっとオブジェクト指向ってよく分からないイメージがあったけど、名詞を見つけて考えるという発想になるほどと思った。少し分かった気がする。

UIについては、タスク思考ではなくオブジェクト指向にするのがいいとのことで、タスク思考だと動詞が基準になていて、オブジェクト指向は名詞が基準になっているとのこと。
具体的には、タスク思考だとメニューが動詞だけど、オブジェクト指向では名詞なのだとか。
だいたい、UIってタスク思考じゃないのかなと思ってふとメルカリを見たら「さがす」「出品」「支払い」「はたらく」とあって、動詞のメニューとなっていた。著者としては、メルカリのメニューはアンチパターンなんだろうか。

まずは名詞同士の関係を抽出することが、オブジェクト指向に重要という考えは非常に分かりやすかった。そういう考えでUIを設計すればいいのかと。
これから、名詞を意識して開発できるようにしていきたい。

UIのビューは、大きく分けて「コレクション」と「シングル」の二つがあるという考えは、なるほどなと。
今関わってるプロジェクトも、そういうことが最初から分かっているとだいぶよくなっていただろうなと思う。

ガッツパターンというのが説明読んでもよく分からなかったけど、四角形の描画時に自分で操作せずともデフォルトのテンプレートでスタイルが表示されることをいうらしい。それの何がいいのだろうと思ったけど、モードレスにすることで、自分の状態(モード)を保持しないことで他の作業にうつることができ、使いやすくなるのだとか。
そういうふうに考えたことがなかったので、結構衝撃だった。デフォルトのテンプレートが表示されるほうが二度手間な気がしたのだけど、自分が今どういう状態かを意識しなくていいというのは確かにいいのかもしれない。

全体を読んだ印象としては、できるかぎりモードレスにして、「名詞→動詞」の順で考えれるようになるのが大事なのだろうなと。警告文をだすのにモーダルダイアログとか普通に使うけど、極力使わないほうがいいんだろうな。これから気を付けたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年4月12日
読了日 : 2024年4月12日
本棚登録日 : 2024年4月12日

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