インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2012年11月2日発売)
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感想 : 322
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面白かったが、もう何がなんだか…。
緻密な人物構成に混乱しそう。
前作で、更なる悪事が起こりそうだと思ったらやっぱり……。
前作はフジコの「衝動」であったが、今作は「真実」の他に、「復讐」「怨念」といったところか。
フジコはもうこの世にはいないのに、こんな形の復讐があるとは!

物語は三人の取材者目線で進むが、フジコ絡みの復讐にたぶらかされてしまっている。
登場人物たちがマインドコントロールされ、それぞれ何かに追い詰められているようであり苦しくなった。

「彼を“化け物”に育て上げたのは、彼の上手い言葉に騙されて、言いなりになっていった被害者、人間の脆さ」ですと!?
「この事件は特異な事件ではなく、いつどこで起きても不思議ではない、支配被支配のゲーム。家庭、学校、会社など、どのコミュニティでも見られる、人間の本能の快楽」ですと?

身の周りに潜む、怪しさ危うさの存在に敏感にならないと!と思った。

元凶はあの人がハマっている新興宗教か。
あのオバサンが一番嫌い。中学の時の英語の先生と人物が被った。
しかしあの人たちの最期はあれで良かったのか?
前作で残された“小説”など、彼らの悪事を世に知らしめる材料はあったはずだが、それも陰の力によって邪魔されたのか。
彼らの最期があっさりとして悔しい気持ちになり、すっきりしない読後感。これもイヤミスの醍醐味なのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学:作者ま行
感想投稿日 : 2023年7月13日
読了日 : 2023年7月11日
本棚登録日 : 2023年7月13日

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