保守の心得 (扶桑社新書)

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  • 扶桑社 (2014年3月1日発売)
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「保守」について真面目に考察した目からウロコ本です。
まず、国を守れなかった場合は「滅亡」ですが、筆者によれば8通りの形態があります。
①タスマニア(民族殲滅)
②カルタゴ、満洲(国家灰燼)
③チベット(民族奴隷化)
④旧ユーゴスラビア(国家解体)
⑤冷戦期の東欧(衛星国家)
⑥ワイマール共和国(内戦直前)
⑦ナポレオン時代のスウェーデン(国内代理戦争)
⑧三島由紀夫理論(ニュートラル)
以上は、悲惨さの度合い順に並べていますので、⑤あたりからは独立国家としての尊厳が確保出来なくなる状態も含まれます。そして、筆者は今の日本を⑦だと定義します。形式上は主権国家ですが、実質は米国の属国だという点で。(最近では、媚中派や媚韓派も目立つ)
次に「保守」「革新」も分類します。
❶共産主義者(日本国と日本政府が大嫌いな左派)
❷日本国は嫌いだが日本政府は好き(東大憲法学者や国家観無き官僚)
❸日本を愛するが故に政府を批判(吉野作造の様な愛国者)
❹日本が好きで政府を簡単に正当化(盲目的右派)

本書では、櫻井よしこ氏も愛国ビジネス者として一刀両断。
さらに国の借金についても、「あれは政府の借金であって国民の債権です。自分たちの借金返済が大変だから貸してくれた国民からカツアゲしようというのが増税です」とわかりやすい。
その点で、財務省の口車に乗せられて増税を決定した安倍総理もやり玉に挙げています。

日本の保守政治が、特に安倍総理亡き後、信じられないスピードで左傾化している今だからこそ、日本の歴史、伝統、文化を死守しようと真面目に考える人が読むべき内容となっています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月24日
読了日 : 2023年8月24日
本棚登録日 : 2023年8月24日

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