昆虫はすごい (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2014年8月20日発売)
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本棚登録 : 151
感想 : 16
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2015年新書大賞7位にランキングされた昆虫の本です。
地球に生息するアリ種の総重量は脊椎動物の総重量を上回り、百万種を超える昆虫の数は全生物の半分以上であるなど「数」だけの話となれば、地球の支配者は「虫」だという結論になる。地球に頻繁に現れ先ごろNASAもその存在を認めたUFOなどは、もしかしたら人間ではなく昆虫に対してメッセージを送っていた・・なんてこともありえるのかも。
そんな楽しい妄想も広がる一方、昆虫の生態については未だにわからないことの方が多いという事実に今更ながら気付く。例えば、実用的とはいいがたい奇抜な形態をしているツノゼミ、ヤマアリの蟻塚の快適さの秘密、敵の危険から仲間を救うため自爆するバクダンオオアリの生態、サムライアリがクロヤマアリを奴隷化する仕組みなど今後の一層の研究が待たれる。中でも社会性昆虫のアリやハチなど人間世界の縮図を見せられるようで身につまされる。
本書の良いところは、写真がふんだんに使われていることですが、一部見ずらいものもあったので、その辺の手直しをして続編を出してほしい。筆者は1974年生まれなので、これからまだまだ活躍してほしい研究者筆頭です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年7月28日
読了日 : 2021年7月27日
本棚登録日 : 2021年7月27日

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