クラックアウト

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2023年1月13日発売)
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本棚登録 : 66
感想 : 7
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中国系反社組織と対立するヤクザ、そして警察のバランスを保つために裏で動いている存在があった。しかし反社組織の会長が死に瀕し、そして都市伝説ともいわれる暗殺者「送死人」がとある女優を殺害した後、危ういバランスが急に崩れ始める。またしても血を血で洗う抗争が起こってしまうのか、そして混乱を引き起こそうとしているのは誰なのか。スリリングなノワール小説です。
裏の顔を持つ記者の三砂、父の遺志を継ぐ警官の鴻上と、得体が知れないながらも魅力的なキャラクターが主体の物語に引きつけられます。パルクールの技を駆使する「送死人」の活躍は、アクション映画を観ているような感覚でした。映像化したら凄そうだなあ。
ハラハラドキドキ、わくわくしっぱなしの展開ですが、しかし裏に潜む黒幕の意図がなんとも悪辣。反社、ヤクザ、警察、三者の中で一番恐ろしいのは何だろうか、という気にさせられてしまいましたが。どこにでも悪辣な輩はいるものですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス
感想投稿日 : 2023年7月14日
読了日 : 2023年7月14日
本棚登録日 : 2023年7月14日

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