著者は日本人以上に日本を愛している方です。
そして誰よりも日本を憂いています。特に観光
に関わる点においてです。
オーバーツーリズム、大規模開発、景観問題
など、日本人が見過ごしている問題に対して
強い危機感を抱えています。
一方でまだその危機が幸いにも及んでいない
場所には、敬愛の念を隠しません。
この本では、そういったまだ観光地化されて
いない場所を訪れたルポです。
しかしそうなると、これから人が押し寄せて
しまうのでは?と誰もが思うでしょう。
著者もその矛盾を抱えながら旅を続けていま
す。
そして1971年「かくれ里」を著した白洲正子
さんの言葉を引用しています。
「人が知らないところは、人に知らせたいし
知らせるとたちまち汚されてしまうのは、ま
まならぬ世の中だと思う」
本当は行って欲しくない場所を巡る一冊です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
紀行本
- 感想投稿日 : 2021年12月22日
- 読了日 : 2021年1月22日
- 本棚登録日 : 2021年1月22日
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