娚の一生 4 結婚 (フラワーコミックスアルファ)

著者 :
  • 小学館 (2012年9月24日発売)
4.13
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感想 : 237
5

一気読みだったので、最終巻で。
最初に一巻を読んだ時には衝撃的でした。
登場した教授の腰が抜けそうになるほどの男前度に。
いやー…久々にこういう男性見ました。
何だろう、肝じゃなくてでもそれに近い何かが太い。
けれどそれを感じさせることなく、あくまで軽く、なのに存在感はしっかりと。
見惚れましたわ。
どうなるんだろう、一体この話はと思ったのですが、巻を追うごとにそんな教授の中の弱さと言うか、揺れが浮き彫りになってきて、うわあああ、となりました。
特に20歳の教授。
うわ、こういう人さすがに駄目!と思いましたが、ここから三十年余りずっと片想いしていて、ああいう人になったその流れは納得できる繋がりだし、それだけこの人がいろいろと苦しみ悩んで、徒手選択して今の自分であるのだなぁというが、切ない。

対するつぐみちゃんは、三巻で女のイヤな部分をさらけ出しながらも、何とも物悲しい…。この人の描く女性は、いつもこうした業を背負っているのかな。最初に出てきて彼女を励ました友人の陥った部分も、それと同じ。
もの悲しいけど、でもある年齢まで生きてきた女の割り切り方…でもないし、何て言ったらいいのかな。ある意味悟りに近いというか、いや、全然悟っていなんだけどね(笑)

でもそんな二人が同じ道を歩くことにして、結婚式をあの家でして、雛段の横におばあちゃんの仏壇があり、それを見るつぐみの目の穏やかさに泣けました。

そして西園寺さん!
最初はもう当て馬と言うか、教授に片想いをしている典型的なキャラクターとして登場してますが、どんどんどんどん可愛くなってって、最後にはもう大好き!!でした。
「教授の愛情に胡坐をかいている」と言ったのが彼女で本当に良かった。
彼への恋を乗り越えた彼女だからこその言葉で、別の誰かに言われたのなら、つぐみの心の向きは微妙に変わっていたと思う。
彼女の旦那とお姑さんとの日々は和むわ―。

最後の最後に出てきた馨くん。
この名前だということに、思わず大きく頷くくらい納得、というか嬉しかった。
教授らしいなー。
いい感じで家族なっている三人にによによしつつ、マコトくんも交えて三人家族として暮らせたらいいのに…と思ったことをちょっと苦く思う。
今ではまこと君も立派に成人していることでしょう。
あの両親の元でなら。
そう思ってやまない。

素敵な物語をありがとうございました。
でもつぐみちゃんの花嫁姿、35歳にしては初々しすぎるぞ、くそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2012年11月16日
読了日 : 2012年11月16日
本棚登録日 : 2012年11月16日

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