惑星のさみだれ (10) (ヤングキングコミックス)

著者 :
  • 少年画報社 (2010年11月30日発売)
4.65
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本棚登録 : 768
感想 : 69
5

とある人のオススメマンガだったので気になっていた作品。
一気に1巻から10巻まで読了。今は最終話を読み終わった余韻で自分の中の評価がやたら高いですが、今まで読んだ漫画作品の中のベスト10には確実に入ってきます。
色々と良かったところがあるので列挙していきます。

1.主人公とヒロインが魅力的
なんといっても、ここでしょう。意志を言葉にする描写がとても多いのですが、それが熱くてたまらなかったです。
また、この作品はバトル物のマンガなのですが、ヒロインの安定した強さが読んでいて安心させてくれます。主人公がエースになっていく過程も良いですね。

2.サブキャラが魅力的。
ここが他のマンガとは違うところなのかなと思います。
10巻65話?程度の長さのマンガにしては、各キャラが立っています。なおかつ主人公がインフレかまして置いてけぼりになるパターンではないマンガのため、最後まで各キャラが個性を生かして輝き続けていました。

3.戦略重視な戦闘。
掌握領域というオーラ?を用いての戦闘となっています。
この使い方が上手いですね。修行や戦いの中で各自必殺技を編み出していくのですが、それぞれの必殺技の効果にキチンと特性が付与されている上に、その特性を生かした最後のあのシーン、カッコ良すぎです。

4.ライバルとのラストバトル
これ、結構多くのマンガでは描写されないんですよね・・・
見たかった。悟空とベジータの天下一武闘会。太公望と申公豹の一騎打ち。ニケとレイドの、ギリ討伐後の戦闘。
それをキチンと、すべてが終わったあとに描いてくれる水上さん。あの言葉は要らない空気感は良かったです。

5.主人公たちのその後の話
作者はこれを描きたかったみたいですね。なので、流石に上手くまとまっています。キチンとハッピーエンドにしてくれたのも良かったです。ヒロインの母親のページで、次のページにはハッピーエンドかバッドエンドか分かるというシーンがあったのですが、祈りましたよ、ハッピーエンドを。バッドエンドは基本的に嫌いなのです。空想の中はハッピーでいいじゃないか。

6.ラストを見据えた伏線が序盤からガッツリ
世界を破滅させる存在を倒した後に、主人公が12人の騎士団の仲間を裏切って戦うことになるという説明が1巻からあるのですが、それが最終巻で回収されます。この設定がなかったら陳腐なマンガだったのかもしれないほど、大きな意味を持った設定でした。

ごちゃごちゃしてきたのでこのへんで。
いやー、今のところマンガベスト3に入るな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2012年2月4日
読了日 : 2012年2月4日
本棚登録日 : 2012年2月4日

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コメント 4件

lidomさんのコメント
2012/02/04

太公望のライバルは新好評じゃなくて聞仲だよ
進行票は最初にあってはいるが、がちがちにやりあったことないからね。ただの知ってる強い仙人だよ

aruknoさんのコメント
2012/02/04

聞仲はラストシーンでそういうかかれ方されちゃっているけど、太公望のライバルと言うよりは西岐vs殷、崑崙vs金鰲という意味での知力戦のライバルだと思うんだ。しかも妲己のがウワテな描写だし。
しがらみのない単体同士のライバルとしては太公望vs申公豹。最後まで強キャラとして対峙していたというところが全てだと思うよ。楽しみはとっておくということで戦闘描写されなかったのが残念。10年後、20年後に2人が激突するシーンが蛇足でも欲しかったのだ。太公望も伏羲以降結構好戦的になってたし、いつか戦うんだと思うんだよな。

lidomさんのコメント
2012/02/07

何かを背負っているもの同士が譲れないことのために戦うから熱いんであって、最強キャラ同士であっても理由がないなら熱くないだろう。
スポーツとかで選手の実力でなく物語性を必要以上に強調することに批判的だったけど、自分の中にもそれを求める気持ちがあったんだな。

それと感想書いてるうちに評価が上がっていくのはライブ感があっていいな

aruknoさんのコメント
2012/02/07

どもども。
そうか、背負ってるものか、その考え方はしてなかったな。

「世界を滅ぼそうとしていた魔王を倒しました。世界に平和が戻りました」となったときに、ライバルと共闘していた理由が消え去る。だから、そこから主人公vsライバル戦に行くのが自然な心情描写となるはず。よっぽど馴れ合いな仲間関係になっていない限りは。ブウ編の悟空vsベジータは結構いいけど、横槍が入る環境になっちゃうから、やっぱラスボス倒した後だよ、戦うのは。その戦闘描写ってマンガの物語序盤での戦闘環境に近い(純粋に強い奴と戦うだけで、世界を背負っていない)から、マンガの雰囲気が昔に戻るんだよね。ドラゴンボールGTのラストの悟空vsクリリンなんか、ちょっとベクトルが違うけど雰囲気が無印ドラゴンボールになってるって点で同じかな?そういうシーン好きなんだよなぁ。

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