最近になって売れ出した漫画家・西炯子が、昔いろいろな雑誌に書いていたエッセイを1冊にまとめたもの。著者が好き勝手に書きたいことを書く、という趣旨の企画ばかりだったみたいで、素人っぽい雑文がひたすら続いている。それでも、著者のファンであり、著者のニヒリストぶりに共感できる人なら、それなりに楽しめるとは思う。個人的には、「美少年として売り出した阿部寛が、気持ち悪い中年の役を演じ始めてから生き生きとしている」なんて観察は彼女以外から聞いたことがないし、好きな男について語るエッセイで「渡邉恒雄」について5ページも書いてしまうあたりは、かなり共感してしまった。おまけ企画の「西炯子おしごと年表」には、これまでの出版物(漫画、および挿絵を描いた小説)が時系列順に網羅されており、正式な記録として重宝されること請け合い。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2012年3月11日
- 読了日 : 2012年3月4日
- 本棚登録日 : 2012年3月10日
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