戦後日本国憲法制定にかかわり、吉田茂とも親交の深い白洲次郎による短編エッセイ集(ノンフィクション集)。最初の方と、表題作とその周辺作品のみ読んだが、白洲のいう「プリンシプル」は、「その人の(モノの)機能・本分・役割」ということなのだろうと思う。全体の中で自分の・そのモノの機能・本分・役割をよく考えて、それに基づいて行動せよ、という目的志向の考え方のことたが、その態度は簡単には取れないのかもしれない。
白洲の議論で、日本の政治家は、イデオロギーは勉強して暗記するモノだと思っているから、自分の普段話していることと、政治的イデオロギーが乖離しており、だから実のある論争は期待できず、思想と思想の落とし所を見つけたりできない、という箇所があった。ここで思想の不在を白洲は批判するが、これもプリンシプル(本来の機能・本分・役割)不在の政治論争ということか。前提としては政治論争は空虚な理論ではなく生活や意思に根差すべきだ、そうして初めて意味のある議論ができる、ということなのか?白洲のすごいところはこういった、「どうあるべきか」の機能を考えていることなのではないかと考える。
白洲のプリンシプルの特徴は、国際的に日本がどう立場取るべきかという視点を持っていること、なのだろう。他はわからない。
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- 感想投稿日 : 2021年10月17日
- 読了日 : 2022年2月5日
- 本棚登録日 : 2021年10月17日
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