アイデアのちから

  • 日経BP (2008年11月13日発売)
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感想 : 243
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10年以上前に一度読んだのを、最近になって再読。

いったん何かを知ってしまうと、知らない状態が想像できなくなるため、聴き手の気持ちが理解できなくなる。それを「知の呪縛」と呼び、自分のアイデアを効果的なものに作り替えることで、この呪縛を打破することができる、というのがこの本の趣旨。

効果的なアイデアを作る6原則が、1章から6章にわたり一つずつ紹介される。
1つめは「単純明快である」こと。もっとも重要なもののために、他の要素をそぎ落とし、簡潔にすること。
2つめは「意外性がある」こと。相手が知らないことを提起すると、強烈な興味を引き起こすことができる。
3つめは「具体的である」こと。専門家は高度な洞察力があるために、高度で抽象的な話をしたがる傾向があることに注意。
4つめは「信頼性がある」こと。メッセージそのものが、メッセージの内容を裏付け、保証しなければならないことも多い。
5つめは「感情に訴える」こと。自己の利益に訴えること、メリットの大きさよりもメリットを実感させることの方が重要。
6つめは「物語性」。物語があると、人は自分の意識を潜在的な解決策に向かわせることができる。

どれか一つだけを見れば、当たり前のことのように思える要素ばかりだが、この6要素の全てをクリアするアイデアとなると、そう簡単ではない。
いいアイデアというのは、やはりそう楽には生まれてこないし、生み出せないんだな、ということが理解できる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス書
感想投稿日 : 2021年12月15日
読了日 : 2021年2月10日
本棚登録日 : 2021年12月15日

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コメント 1件

こまつなさんのコメント
2022/07/16

内容とポイントがとてもわかりやすかったです。ありがとうございました。

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