フツーの子の思春期: 心理療法の現場から

著者 :
  • 岩波書店 (2009年4月24日発売)
3.85
  • (11)
  • (16)
  • (10)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 158
感想 : 20
5

中学生男子を持つ母として、とても参考になりました。スクールカウンセラーとしての活動で得た生きのいい事例を元に、思春期の心の動きやそれをどう乗り越えていくかを分かりやすく解説してあります。
特に、男の子の事例とその解説は、女の私には想像もつかない部分があって、とても新鮮でした。息子の言動を解釈するのに応用できる部分が沢山ありました。
(例えば、筋トレにハマることが、男子が自己を確立するための重要なステップであることがある、など。)
従来の「ふつう」と今時の「フツー」を対比させてその違いについても論じていますが、根っこの構造は同じで、家族や社会の変化が、その表出の仕方を変えさせているのだという論も、説得力がありました。
「こういうときはこうすればいい」「こういうときはこうしちゃだめ」という即効性をうたう育児ハウツー本は、結局「そんな簡単にできたら悩まないよ」ということが多くてあまり役に立ちません。
この本は、そういう本とも、また難しい専門用語で解説する学術本とも違って、「ふつう」の親や教育者が、思春期の子どもを理解するための良い助けになると思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月9日
読了日 : 2014年7月8日
本棚登録日 : 2014年7月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする