80年代の若者がどのように考え生きてきたかが垣間見える作品。
構成が独特で、1ページごとに大量の注記があり、トータルでは本文の量とほぼ等しいんじゃないかというくらい言葉の説明がされています。著者が俯瞰で主人公たちの生活を見ているような感じにもとれたが、もしかしたら流行りや周囲の環境に馴染むためには主人公のような生き方をするのが理想ではあるが、注釈にところどころで皮肉を込めているあたりは、理想とは分かっていながらもその生き方を批判している著者の二面性のようなものも感じました。
なんとなく自分の良いと思う選択に従って生きているというのは、世論や流行りに流されやすい日本人の心理には少し刺さるものがあるのではないかと思います。たとえば、『なんでそのブランドのバッグ買ったの?』と理由を聞いても自分を軸とした答えをだせない人が多いのではないかと思います。ちなみに『本を読んでいても自分の考えを確立できない人も多くいる』という言葉が自分には深く刺さりました。これもまた、自分の考えでなく周りの意見に左右されてなんとなく本を読んでいるんじゃないか?という自分への不信感の表れですね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年7月28日
- 読了日 : 2019年7月28日
- 本棚登録日 : 2019年7月28日
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