愛の山田うどん ---廻ってくれ、俺の頭上で!!

  • 河出書房新社 (2012年11月21日発売)
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感想 : 13
5

この本は、埼玉県民なら、よく知っているうどん屋であり、
肉体労働者、長距離ドライバーに圧倒的支持を得ている
あの山田うどんを徹底的に愛した二人の男、えのきどいちろうと
北尾トロが書いた本である。

本当の事を告白すると、私も山田うどんが、
メチャクチャ大好きな男の一人である。
これから、書く内容は、まだ、山田うどんを食べたことが無い人も、
昔、結構食べたけど、最近食べてない
そして、山田うどん命の人も、必見の本なのである。

まずは、山田うどんの歴史から入っていくことにする。
創業は昭和10年(創業78年)。
埼玉県所沢市で手打ちうどん専門店を「安くて旨い」を信条に始める。

昭和37年に赤い「かかし」のマークを決定。
ここで、疑問が湧いてくる?
山田うどんのマークはなぜ、「かかし」なんだろうと。
そこは、著者も同じ疑問を持って、しっかり調べている。
あの童謡「かかし」の歌詞を思い出してほしい。
「山田の中の一本足のかかし~」という歌詞。
その作詞家が埼玉県出身で、記念碑が緑区の見沼氷川公園にあると
いう。

さらに、昭和43年に4代目社長の山田裕通氏が
アメリカのフランチャイズチェーン研究の為に渡米。
そこで、ケンタッキーフライドチキンの大きな廻る看板を見た。
この管板を日本の山田うどんに使ったら面白いと考え、
早速調べたら、代理店がないということが判明したが、
当時の金で2000万円をかけて、本邦初の回転看板を立ててしまう。
この、先見性が、今の山田の強味になっている。

次に、味のことで面白ことがわかった。
創業時に、一番頭を悩ませたのは、「ツユ」作りだった。
そのツユを作ったのは、あのキッコーマンだった。
昭和40年頃に現在キッコーマン特別顧問の高梨氏にツユ作りを依頼して、
開発期間3か月をかけて、納得いくツユを開発、
その味は今もかわらずに、山田の美味しいツユとして守られている。

その他、この本には、山田うどんの事が徹底研究されていて、
面白くて、一度食べに行きたくなる内容がまだまだあります。

一家に一冊とはいかないまでも、
うどん好きに方に、うどんガイドとして一冊おすすめします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2013年4月14日
読了日 : 2013年4月14日
本棚登録日 : 2013年4月14日

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