高校の時に読んでいたのを忘れていたが、新鮮な気持ちで読めた。
当時は話に引き込まれるただの悲恋の話という印象しかなかった。それはそれで面白かったが。
社会人となり、読み返してみたら、この本に詰め込まれたものが少しながら理解できた気がする。高校生の頃は、なぜ貴方が病室に現れた時に性行為を求めたのかわからなかったし、「不安神経症」という単語を見落としていたこと、人がこんなにも簡単に壊れること、愛とは簡単なものではないこと、色々と気付いていない部分がたくさんあった。
ミシンも、今思えば高校生の頃はほとんど理解できていなかった。執念とはこれほどまでに人を変えるのかと怖かったし、なぜミシンが主人公を選んだのか、ラストも歪んだ一種の愛であると解釈した。
そして、服はただの布切れではなく、人物の生き方や在り方、話のテーマ、そして服にはそれぞれのコンセプトがある。服無くして物語は成り立たない。そんな野ばら作品が、やはり素敵で大好きです。
この服は、私が着なくてはならない。私が着るために作られた。この部分が印象的です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年11月17日
- 読了日 : 2020年11月17日
- 本棚登録日 : 2020年10月22日
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