壇蜜日記 (文春文庫 た 92-1)

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  • 文藝春秋 (2014年10月10日発売)
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この人の私生活は見た目から想像が付かない。なので、抜け毛を気にし熱帯魚にハマる女性とは思いもしなかった……。しかも過去に辛いことがいくつもあり、今も時々苦しくなっちゃう人だった。自身のことを「人にイライラされる見た目、性格、雰囲気、言動全てを兼ね備える自分」と分析していて、自己評価が低いことにも驚いた。自分は世間の嫌われ者なのだと。卑下しなくてもいいのになぁ、と思いながら読了。続編を読むかは微妙。

p28 食べ物の旬は短くても毎年巡ってくるが、人間の旬は一度きり、しかも食べ物より一瞬。何が欠けても駄目だったのだ。あてのない旅路に、ささやかな温もりに触れた。触れたらまた、歩き出す。

p120 玄関を開けたらどこからともなく強風に乗って桜の花びらが足下に数枚散っていた。風は春を連れてきて、桜を開花させたと思いきや花びらの命も暖かさも奪って行く。与えて、奪う。相反するふたつを同時に行うモノは様々ある。壇蜜という者が今いる世界もそうだ。与えて奪うものが同じ存在だ。奪われたものだけを記憶して自暴自棄になる時もある。居なくなりたくなる。そんな時、自暴自棄を引き起こさせてそれを食べにくる鬼がいることにする。鬼は涙と怒りしか食べられないから、ヒトにこんな辛い思いをさせ、腹をふくらませる……という話を勝手に作る。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月26日
読了日 : 2017年8月26日
本棚登録日 : 2017年4月10日

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