子どもの頃「赤んぼう少女」を読んだときは、すごく怖かったのだけど、今読んでみると、タマミが憐れで泣けた。
お化粧や着るもので美しく見えるレベルのルックスではないのに、努力してみて、己の醜さに涙するタマミ。
悲しいときは古井戸に入って一人泣くタマミ。イケメンに恋して散々な扱いを受けるタマミ。凄い気力と体力と生命力があるし、頭も悪くないのだからその長所を生かして生きることもできたのに、負の方向へエネルギーを爆発させるタマミ。葉子よりずっと友達になれそう。
「黒いねこ面」は咎なく主君に殺された主人の仇を飼い猫が討つ話で、胸を打つ。壁に塗り込めたりしてポーが元ネタなのは間違いなし。
私が無実の罪で殺された場合、うちの猫4匹のうち仇討ちしてくれるやつはいないかなと考えたけど、ビビリ2匹、食ってりゃ満足1匹、誰にでも愛想振りまく1匹で該当猫ゼロ。化け猫になって仇討ちしてくれるのは頭が良くて、飼い主のみに愛情を持ち、体力と運動神経が良く、度胸と執念深さがある猫。かなり猫を選びます。猫に仇討ちを期待しないようにね。
「怪談」はハーンが元ネタ。
今都会に住んでるとこういう恐怖って全く身に迫ってこない。
だからこそ「赤んぼう少女」の化け物の悲哀が際立つのかも。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年12月30日
- 読了日 : 2012年12月28日
- 本棚登録日 : 2012年12月30日
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