この本が無くても「ラス・メニーナス」が名画であることに変わりはないけど、こういう本を読むことで、描かれた時代の雰囲気や描かれた人々についてより興味が湧く。ベラスケスがモデルの身分や外見をきちんと描きながら、その人物の人となりが時に容赦なく伝わってくるのは、ベラスケスが人を中身で判断する人間だったからだ、というキャラクター設定には説得力がある。
道化として雇われながら、鋭い観察力と洞察力で地位を確保したマリバルボラやデ・アセドも魅力的に描かれている。
マリバルボラの後ろに立つ男が誰か、というところがこの物語の仕掛けになっている。
物語としては短いのがちょっと残念な気もする。でも、大人はもっと時代や人間関係を濃厚に書いてほしいと思ってしまうけど子供に読ませるにはちょうどいい長さかも。大人が読んでも面白いけどね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年2月18日
- 読了日 : 2018年2月18日
- 本棚登録日 : 2018年2月18日
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