マイリトルインフェルノ 下 (on BLUEコミックス)

著者 :
  • 祥伝社 (2019年1月25日発売)
3.98
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本棚登録 : 484
感想 : 14
5

▼あらすじ
小さくて、弱くて、何の力もない「仁(ひとし)くん」。
そんなちっぽけな存在が、必死に抗って歯向かってきたのが、新鮮で、たまらなく愉快で、可愛かった。
気まぐれに仁のもとに身を寄せたけれど、「まーくん」を取り戻したいナカモトの画策で仁の母が借金まみれにされてしまう。
自分のせいだと気づいた「まーくん」は、ナカモトが誘う危険で享楽的なウラ社会へ再び戻るしかないと、穏やかだった仁との日々に別れを告げるが……。

***

ストーリーの完全度:非常に高い
トーン:コミカル・シリアス(中)
エロ度:低い
萌え度:非常に高い
総合評価:★5.0

上巻に続いてこちらを読みましたが、下巻もめちゃくちゃ面白かったです。通しで読んで正解でした。
仁の母の元に届いた借金の督促状を皮切りに物語は不穏な展開へと突入していくんですが、まさかナカモトがここまで執念深い男だとは…。ていうか無関係な仁の母を巻き込むなんて性格悪いぞ。

ナカモト、嫌いじゃないんだけどちょっと野心家過ぎるのよね…。そりゃ、ナカモトと一緒にいれば飽きないだろうしお金だっていくらでも稼げるんだろうけど、人間、常に走り続ける事は出来ない訳で。
ナカモトを見てるとまーくんが疲れてしまうのも無理ないなあ…と思ってしまいました。

にしてもまーくん、笑い方が豪快でちょっと怖い(笑)
燃え盛る炎をバックに笑いながら仁に告白を迫るシーンなんて迫力あり過ぎて魔人というより悪魔だなと思ってしまった(笑)
まーくんと仁は…まぁ、スペック的には全然釣り合ってないんだけど、そこが良いんですよね。平凡過ぎてまーくんがいつか飽きないかちょっと心配ではあるけど…(笑)
でも、仁は上巻よりも勇気ある行動が目立っていて好感が持てました。まーくんを引き留める為にまさか放火までしちゃうとは…。(めちゃくちゃ焦ってて笑いましたが笑)

エロについては結局、最後の最後まで本番無しでしたが、ここまでストーリーが面白いとエロ無くても神評価には変わりなかったと思います。それに素股でも十分エロかったし、仁の反応がリアル過ぎて面白かったので(笑)
そういえば描き下ろしが若かりし頃のナカモトとまーくんの話だったのですが、この話が切なくて最高に良かったです。「タバコ買ってくる」って言って出てったきり戻らないまーくん…。別れ方最高かよ…!

そこまでがっつりBL!!って感じの作品ではないのですが、ストーリー重視の作品が好きな私にはドツボな作品でした。本当に読んで良かったです。
朝田先生、次回作も期待してます…!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BLコミック
感想投稿日 : 2020年4月26日
読了日 : 2019年6月8日
本棚登録日 : 2019年2月21日

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