誘春 (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房 (2015年2月24日発売)
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本棚登録 : 93
感想 : 9
3

▼あらすじ
それは、二人だけの秘密の儀式――。
人気料理研究家の父・清明に十歳まで施された赤ちゃんごっこが最も幸せな記憶である暁は、実の息子でありながら清明へのくるおしい欲望を抑えきれず、山奥の全寮制学園で生徒教師を問わず性交を重ねる毎日。
息子の演技にも限界を感じていた誕生日の夜、暁は清明の秘密を暴き、父子の真実を知ることに…。
表題作の後日談等を収録。宿命の禁断愛!


***

とりあえず一言。
これから読む人は覚悟をした方が良いかと思います…(笑)
私のように、この人の作品を読んだ事がない方は尚更…。
因みに私は読み終わった後、衝撃的過ぎて軽く目眩を起こしました(笑)

帯と美麗な表紙に釣られて購入しましたが、何ていうかその…今まで読んだ小説の中で一番、”狂っている”と感じました。(内容的に)
これは多分、賛否両論の作品になるのではないでしょうか…。

まず、実の父親である清明が予想の遥か斜め上を行くレベルの変態で笑えて来ます。
母親であるリリーも貞操観念が破綻しているどころか色んな意味でぶっ飛んでるし、そんな両親の元から産まれた息子もまた然りです。魔性+淫乱属性。
とにかく、登場人物もれなく全員狂ってます。
モブでさえも狂っている…いや、狂ってしまう始末。
常人ではおよそ辿り着けない&理解出来ない域に皆さん達してらっしゃいます(笑)

変態だろうが淫乱だろうが近親相姦だろうがバッチコイな私にはそれでも一気に読んでしまうぐらいには面白かったですし、非常に読ませる文章を書く方だとは思ったのですが、それも前半まで。
後半の「いつの日か、花の下で」は世界観がガラッと変わり、一気にシリアスモードに。
本編との温度差があり過ぎて付いて行くのが大変だった上に、戦国系?といったジャンルに一切関心が無い為、それらしい雰囲気が出て来た瞬間、まー気持ちが冷める冷める…。

そして極めつけはラストの展開。
メリバだろうが何だろうが死ネタが苦手な私には衝撃的過ぎて正直、手を出さなければ良かったと後悔しました。
重い。とにかく重過ぎる…!切な過ぎる…!!
これなら普通に異常な近親相姦モノにして、後編は清明視点の別のお話…とかの方がまだ良かったです。
あくまで超個人的な意見ですが。

また、小冊子を読んでも…最早重い溜め息しか出ない(笑)
結局リリーは全部気が付いていて、この家族は本当に狂っているんだと。美しい悪魔なんだと再認識させられただけで萌えは無かったです。
寧ろ、殺されなくて良かったね…という安心しかないです(笑)
何だか本当に表紙と帯に釣られたなぁ…と、少し残念に思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 整理済み(小説)
感想投稿日 : 2015年3月10日
読了日 : 2015年3月10日
本棚登録日 : 2015年3月10日

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