外商の真髄

著者 :
  • 講談社 (2011年1月28日発売)
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感想 : 6
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三越ではお帳場と呼び、顧客に対して、担当者が固定で対応する制度をもっているらしい。そのトップ営業マンであった伊吹氏による、自らの体験を描いた本。

普段、外商と接することない生活をしてきた身からすると、百貨店の外商とはここまでやってくれるのか!と驚く内容だった。
百貨店の商品紹介はもちろんだが、葬式の手配、弁当8500個の手配、屋形船の手配、医師の紹介、京都旅行でのなかなか予約が取れない店の手配etcまさにパーソナルコンシェルジュのようだ。

いかに情報を知っているか。確かにネットがない時代には、情報の価値が今よりも高かった。きっと、今となっては、百貨店の外商に頼らずとも、自分の必要としているモノ、サービスを手に入れることが容易になったろう。

だが、それだけでは太刀打ちできない、サービスがそこにはある。

とにかく気配りが凄い。顧客に何かを言われた時の反応として、相手が想像している以上のことをやってのける。本書は平易な文章で書かれているので自然に読めてしまうが、ここに書かれていることを実践するのは並大抵のことではない。レコメンデーションやイベントベースドマーケティングにより、ネットでも類似のサービスは実現できるが、ネットはプログラムされたこと以上は提供できない。とても生身の人が提供するサービスには及ばない。

以下、印象的な内容をメモ。

■伊吹流接客術3つの心得
1、「おまけ」付きの接客を心がけよう
2、いつも「気配りのキャッチボール」を
3、お客さまの「お買い物秘書」になろう

■伊吹流セールス術4つの心得
1、ただ売ればいい、のではない、お客様の役に立つことを考える
2、自分のルーツを大切に
3、なんでも知っていなければならない
4、自分の強みを発見しよう

「仕事以外の事を頼まれて、初めてお客様に認めたと言えるのです」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Retail
感想投稿日 : 2012年1月2日
読了日 : 2012年1月2日
本棚登録日 : 2012年1月2日

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