これはジャケ買いではないですが、パッケージに目がとまって観賞した作品です。
小説は有名ですので読んだ方も多いかもしれませんね。
私はだいぶ前に小説を読んでいて、面白かったのでどんな風に映像化されるのかなと楽しみに観ました。
小説では6つの物語と6人の人生が描かれていましたが、映画では、「死神の精度」「死神と藤田」「死神対老女」の3編を取り上げ映画用に構成した内容となっています。
死神って、ひとそれぞれ色々なイメージがあると思うのですが、ほとんどは怖いイメージだと思います。骸骨が黒いマント着て大きな釜を持っている・・・みたいな?
でも、ここに登場する死神は、めちゃくちゃクールで普通の人。淡々と仕事をします。そして、すっごい音楽好きっていうのが面白いですよね。彼らはそれを「ミュージック」と言うのですが。そのためCDショップに入り浸っていて、そこで仲間たちと会うこともしばしば。
死神は、人間と価値観が違うので、時々変なことを言うけれど、それがちょっと笑えたり、逆に考えさせられたりします。
この空気読めない天然な人みたいな死神を演じている金城武さんは、まさに小説のイメージ通りでした。
原作者の伊坂さんは、本作の映画化を断り続けてきたそうですが、金城武さんが主演である条件を呈示された事で了承し、実現したそうです。
まさに納得。という感じです。
金城武さん演じる死神の喪服姿の美しさと、美容師と死神のラストシーンは印象的でした。波瀾万丈な人生を生き抜いた女性の潔さと、景色がとてもマッチしていて綺麗でした。
死神は、様々な人たちの死に立ち会って。その時間軸も様々で。
だけれども、それぞれの人生がどこかで交錯してみたりして繋がって行く。全ての人間に平等にもたらされる生と死。それは特別なことではないけれど、大切なこと。
人はみな、生まれて死んでいくけれど、その想いは繋がっていくのかなと思いました・・・。
冒頭に死神が、「死に値する生き方をしたか(生きる目的を果たしたか)を判断するだけ」「それは、命の長さに関係ない」と言い切るシーンがあります。とても心に響きました。
誰にでも平等にいつか必ずやってくる「死」について考えるきっかけになるかもしれません。
いつかそのときが訪れたとき、死に値する生き方ができているよう、限られた時間を大切に生きたいと思います。
- 感想投稿日 : 2024年1月6日
- 読了日 : 2021年1月23日
- 本棚登録日 : 2021年1月30日
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