住民投票―観客民主主義を超えて (岩波新書)

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  • 岩波書店 (2000年10月20日発売)
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住民は主権者でありながら、街づくりは政治家や官僚に任せっ放しという「観客民主主義」

住民投票のメリットをはっきりさせる必要あり

選挙は人を選び、住民投票は事柄を決める

・条例に基づいて住民投票を行う
・憲法95条に定められている「地方特別自治法」の制定要件として行う
・その他
戦時中に合併させられた町村の分離
自治体警察の廃止

条例制定の方法
・首長提案
・議員提案
・直接請求 条例の制定を首長に求める
主に直接請求(有権者の50分の1)
面倒な手続き多い(時間、費用ともにかかる)

住民投票のテーマの制限は?

条例の内容様々
各地域の事情に合わせられるというメリット

住民投票の実施を拒む議会の壁
住民投票で表明された民意の実現を拒む壁

住民投票の結果に法的拘束力を持たせるか、否か?
地方自治法「首長の権限」に制約を加えることになれば、憲法94条の規定に抵触

巻町の話にも触れるか?

住民投票で決定した地域内の決断と地域外の判断の対立の解決法は?

制度として確立してなければ、住民投票実施に対してひどく反対する
暴力に訴えることも

住民投票は自治意識を高め、その問題に対する知識を増やすことにつながるか?
投票率上がっている

条例の甘さによって、動員をかけるものがいる
基本は公職選挙法に従うのがよいのでは?
しかし、固定されたルールがないからこそ市民の側からいろんなアイデアや活気が湧いてくる

住民投票無理だろう→リコール

署名収集は個別訪問が基本
大都市では街頭署名も有効

住民投票賛成者の割合?

反対意見
・間接民主制の否定
⇦憲法改正の国民投票はどうなのか?

・議会意思と異なる結果が具現化されると、民主的に選ばれた議会を否定することになる
⇦直接民主制こそが民主主義の基本であり、議会制は市民全員が集まって話し合うことが難しいという規模の問題などから便宜的に導入された制度

・民意と議会意思のねじれが起こるのは、有権者が自分の考えと一致している人を議員に選ばないから
⇦ある候補者の政治的見解がすべての事項において有権者の意思と合致するのは稀なことだし、議員を選出した後に重要な案件が持ち上がることも多々ある

・「住民投票=衆愚政治」論
⇦問題となっている事柄についての情報を獲得する機会や能力向上
その問題について勉強するようになる

・社会全体にとって必要な施設はどこかには置く必要あり。地域エゴ

・少数者(社会的弱者)を抑圧する手段となり得る

法制化
・住民投票の実施を求める署名が有権者の一定数を超えたら、議会はこれを拒めないようにする
・投票結果に法的拘束力を持たせるか否か?
・対象テーマを制限するか、否か?
・定住外国人の投票権を認めるか、否か?

住民投票の法制化を考える市民と議員の円卓会議

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感想投稿日 : 2013年9月20日
本棚登録日 : 2013年9月20日

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