先日読んだ『戦前尖端語辞典』と内容が被っている所もあり、またフィクション作品等で既によく知られている職業も多かったが、それでも初耳の職業も幾つもあった。既知のものも、歴史や実態などは詳しく知らなかったものがほとんどだったのですこぶる勉強になった。
古いものは江戸や室町の時代からほぼ変わらずあった仕事というから驚きだ。
為政者が変わり、世の中の価値観が大きく変わっても、人々の暮らしを支える庶民の仕事は大きく変わらなかったんだということを気付かされる。
前書きで著者はこれらの仕事が消えてしまったことに一定の理解を示しつつも、現代は「体温」が失われてしまった、と嘆いている。
確かにそういう面もあることは認めるけど、紹介されていたものには違法性の高いもの、人権侵害的なもの、貧困から抜け出せないが為の悲哀に満ちたものが多く、寧ろ「今は残っていなくてよかった」と思えるものが多かった(勿論現代は現代で社会的問題のある仕事はあると思う)
以下、特にへーってなった仕事
新聞社伝書鳩係
ロバのパン
棒屋
おばけ暦売り
天皇陛下の写真売り
テン屋
ミルクホール
三助
伯楽
オンボウ
代書屋
損料屋
ドックかんかん虫
屑屋・バタ師・よなげ師
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図鑑・辞典・事典
- 感想投稿日 : 2023年4月29日
- 読了日 : 2023年4月29日
- 本棚登録日 : 2023年4月28日
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