シスターズ・ブラザーズが荒野をいく。ゴールドラッシュに沸くサンフランシスコをめざして。彼らは金を探しにいくわけではない、殺し屋としてある男を消すために旅をするのだ。
ずいぶんと変なタイトルだと思ったが「シスターズ」は彼らの苗字だった。
粗暴で狡猾な兄と、内気だがキレると凶暴な弟の危険なコンビ。またビビットでダークな表紙からも、ついついバイオレンスな盛り上がりを期待しがちだがそういう方向には進まない。ろくでもない兄弟がだらだらと旅をし、ダメな連中と出会い、飲んで、もめて、勢いで殺しちゃったりする。
殺伐とした話だが、時にしみじみとあったかい感じが伝わってくるのはなぜだろう。
それはおそらくこの兄弟がつながっているから。ダメな生き方でつながり、戦うためにつながり、成功と失敗でつながっている。そして、つながりは二人の人生を良い方にも悪い方にも変えてしまう。
ラストに登場するおっかさんがいい味だしてます。だらだらしみじみ、でもちょっとハラハラしながら年末年始を送りたい方に。(書店員・purintai)
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- 感想投稿日 : 2015年1月7日
- 本棚登録日 : 2015年1月7日
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