いろいろな制約があって自由に調理できるわけではない給食。
大量に、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく。
子どもたちの栄養にも配慮して、それでいてコストは低く。
味が二の次三の次になってしまっている現状に、初めて給食と向き合った佐々目は驚く。
コミカルな部分もシリアスな部分も、子どもたちの自由な独特の目線を通すとちょっと変わった風景になる…そんな物語だった。
毛利のブラックぶりがいい。
「給食命!!」みたいな毛利にも、いろいろな裏事情がありそうだ。
給食で明日への命をつないでいる、そんな事情の子どもたちもいる。
少しでも子どもたちの栄養になるように、少しでも子どもたちの健康に役立つように。
味よりもまずそちらが優先してしまう毛利の頑ななな真面目さと、まったく相反するブラック毛利の腹黒さの対比が面白かった。
給食って思えばいろんな工夫されてたなと思う。
たまにあるいろんな学年が一緒に食べる企画とか、地元の食材を使ったメニューとか、親が給食を見学にくる…なんて企画も低学年のころにあったような気がする。
給食を考える人。
給食を作る人。
給食を食べる人。
みんなが少しずつ、「給食」にまつわることで成長していく物語。
好きなシリーズになりそうな予感がする。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
お仕事小説
- 感想投稿日 : 2017年4月2日
- 読了日 : 2017年4月2日
- 本棚登録日 : 2017年4月2日
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