アレックスと私 (ハヤカワ文庫NF)

  • 早川書房 (2020年10月1日発売)
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本棚登録 : 387
感想 : 31
4

鳥は家族(飼い主さん)の会話を聞いて
自然と言葉を覚えるんだろうなぁって思ってたけど
一体どんなプロセスを経てるんだろう…
ってすごく興味があった。
あとは…鳥の中でもヨウムが特に大好きだったから。

ヨウムって…知ってる人どれくらいいるかな。
グレーの羽に紅色の尾。
一年半くらい前に動物番組で
初めてヨウムを知ったけど
陽気に、好き勝手に(?)話す、歌う。
本当に賢いけど
完璧にすらすら話すわけじゃないから
それがまた可愛くて笑っちゃう。

優秀なアレックスもそう。
順調に訓練をこなしたかと思えば
機嫌を損ねて、アイリーンと口げんかをしたり。
印象的だったのは
研究をしていくうえでアイリーンが
アレックスに対して
決めていた彼女自身との約束。

この本の最初の数ページには
アレックスの写真も載っていて
読んでいるこちらまでさみしくなった。
動物とわたしたち人間は
そんなに変わらないし
意思や思考、感情があるのは人間だけというのは
あくまで人間側の解釈だと思う。

世界で一番有名で賢いと言われたアレックス。
さまざまな訓練を、繰り返し繰り返し行って
50の物体の名前をはじめ色、形、数を
どんどん覚えてバードブレイン(鳥頭)という言葉を根底から覆す。
まだまだ続くと思っていたアレックスとの時間。
その終わりは突然やってくる…。
そのとき、アレックスが発した言葉とその意味は
アイリーンだけじゃなく
この本を手にした読者たちに
ずっとずっと残る言葉だと思う。



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2021年1月13日
読了日 : 2021年1月6日
本棚登録日 : 2020年9月24日

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