失われた夜の歴史

  • インターシフト (2015年1月24日発売)
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[メモ]
・産業革命以前は「夜」の定義が違っていた。

古代以来は、時間の区分もあいまいだった。
もっとも一般的なのは、日没から夜明けという自然の推移によるもの。

・近世の住居は狭苦しかった。プライバシーなどない。
カーテンをひいておくことはむしろ怪しまれた。どんな秘密も召使いたちの格好の餌食。

・「プライベート」という語は1400年代に初めて使われ、
シェイクスピアの時代には日常語の一部となり、その劇中でも使われている。
(略)近世の人々にとって、地域の監視と制裁の脅威は、人目のない状態をいっそう貴重とみなす気持ちを助長した。
(P.230)

・夜は魔術にとっても絶好の機会。
16世紀の文書には魔術について「好きで貧しい暮らしをしているわけではない物、あるいは
貧しさに耐えられない者の中に潜む悪の根源であることが多い」と記されている。
夜になると、ぎりぎりの生活をしているこうした人々は、「超自然的秩序」に参加することを熱望し、
(略)魔法の呪文に希望を託した。
(P.349)

・魔術はいつ何時でもかけられたが、その力が最も強くなるのは霊が動き回っている時だと考えられていた。
(P.351)

・「同衾者」がいるのが一般的だった。

・産業革命以前には、「第一の眠り」と「第二の眠り」があった。
18世紀末までは、時間の区切りを示す表現として普通に用いられていた。(P.434)

・二回の眠りの間には、祈ったり、同衾者と話したり。(P.424)


「失われた夜の歴史」ロジャー・イーカーチ 
インターシフト、2015.2

第1章 夜の恐怖 天上と地上
第2章 生命の危険 略奪、暴行、火事
第3章 公権力の脆弱さ 教会と国家
第4章 人の家は城壁である よい夜のために
第5章 目に見える暗闇 夜の歩き方
第6章 暗闇の仕事 仲間と共に
第7章 共通の庇護者 社交、セックス、そして孤独
第8章 騎士(ナイト)ウォーカー 王侯貴族たち
第9章 束縛から放たれて 庶民
第10章 寝室でのしきたり 儀式
第11章 心の糸のもつれ 眠りを妨げるもの
第12章 私たちが失った眠り リズムと天啓

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年4月24日
読了日 : 2015年4月24日
本棚登録日 : 2015年4月24日

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