3つの基準から9つの重要なアルゴリズム(正確にはコンピュータが行なう9種類の仕事に役立つ9種類のアルゴリズムグループ)を取り上げ、それがどういう理屈で機能しているかを、巧みな比喩を使って非専門家に説明した本。
《9種類のアルゴリズムグループ》
・インデクシング
・ページランク
・公開鍵暗号法
・誤り訂正符合
・パターン認識
・データ圧縮
・データベース
・デジタル署名
・クラッシュ検出(ただし、この9つめは、存在し得ない不可能なアルゴリズムであることの説明)
《本書が採用した3つの基準》
・普通のコンピュータユーザーが毎日使っているアルゴリズム
・現実の世界の具体的な問題を解決するアルゴリズム
・コンピュータ科学理論に関係のあるアルゴリズム(この基準により、ハードウェアを対象とするもの、インターネットなどのインフラ設計に関わるものは除外される)
だいたいのところは私でも理解できた(公開鍵暗号法とデジタル署名はちょっと難解で読み飛ばしましたが)。だとしても、それで、たとえばエクセルで行なう仕事の質とスピードが上がるわけではないし、多数のメールを効率よく処理できるようになるわけではない。
では、この本の目的は何か?著者の説明はこうだ。コンピュータを使う時に、背後で動いているブラックボックスについての知識があることで、読者が驚きや満足を味わえるようにすることである。天文学の知識ゆえに、夜空を眺める体験が多少なりとも深みを増すのと同じである。なるほど。なんとなくわかる気がする。
- 感想投稿日 : 2013年5月5日
- 読了日 : 2013年5月5日
- 本棚登録日 : 2013年5月5日
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