大泥棒 ―「忍びの弥三郎日記」に賊たちの技と人生を読む

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  • 東洋経済新報社 (2011年6月10日発売)
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感想 : 13
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優秀な泥棒の日記を基に泥棒の心理や行動を明らかにしたもの。犯罪防止のため日記の一部のみしか記載されていないこと、何人かの泥棒の意見のみで全体を構成していること、自分の犯罪行動学の分野にも範囲を広げていることなどから、記載事項が説得力に欠け深みがなく、内容が発散している。著者の多用する「犯罪者261名へのインタビューを1992年にまとめたもの」もデータとして活用するには母数が少ないような気がする。
学術的にまとめられれば、よい研究結果になると思うのだが。
「刑務所という学校には、誰もが入学することは許されない。体を張った厳しい審査(裁判)がある。しかし、犯罪者からすると、看守以外の誰にも邪魔されず、最新の犯罪技術を無料で習得、再履修することができる高度職業専門学校でもあるわけだ」p31
「警報装置以上に威力を発揮し、効果があるのが、お座敷犬(スピッツなど)をその家の中に放し飼いすること」p297
「(効果ある張り紙)「この前、みんなで泥棒を追いかけましたが、残念なことに取り逃がしました。今度は逃がさないぞ」「みなさんのご協力で、泥棒を捕まえることができました。またのご協力を」。(ダメな例)「気をつけよう 鍵掛け戸締り しっかりと」」p413

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年11月12日
読了日 : 2018年11月12日
本棚登録日 : 2018年11月12日

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