「大人の発達障害」をうまく生きる、うまく活かす (小学館新書)

  • 小学館 (2014年12月1日発売)
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感想 : 10
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1、専門的な知識と、当事者ならではの目線

専門家と当事者の両方の目線から書かれている点がおもしろい、特に”発達障害か否か”ということの曖昧さ、判断の難しさについて触れられているところが興味深いです。確かにそうなんですよね。発達障害の診断を受けても、じゃああれは発達障害のせいだったんだ、この失敗は発達障害のせいなんだってゆう発想になるのはやっぱり難しく、また周りも常にそういった目で見れるかといったらそうではありません。だからこの本のタイトルになっている”うまく生きる、うまく活かす”ということが重要になってくるのでしょう。

2、自分の特性の理解、対処法や生活の工夫に目を向ける

「発達障害を持つ人が社会でよりよく生きるためには、自分の特性を理解し、その対処法や生活の工夫に目を向けることが第一になります」
第一章の”「大人の発達障害」の正体”でのこの一文が、本書で伝えようとしている一番強いメッセージだと思います。
本の中盤ではよく見られる症状とそれに対する処方箋(対処法)、そしてその対処を本人が行うのか・周囲が行うのかが記載されており、これが内容の大部分を占めます。また薬物療法をどうとらえるか?実際の効果は?職場には伝える?などなど、診断後の些細な疑問や悩みどころに対してコメントされているのも良い配慮だと思いました。

3、個人的なつぶやき

実は兄もADHDだったということで、兄オススメの一冊だそう。
自分がそうだと余計実感するのですが、やっぱり遺伝的なものみたいですね。
だから自分の子供ももしかしたらADHDだってことも、将来的にあり得るんじゃないかな。過保護や過干渉にはなりたくないけど、自分が味わった苦しみを味わってしまったときに、理解しあえる形で手を差し伸べられるようになりたい。その意味で私がこの本を活用すべきなのは”本人”としてでもあり、”周囲”としてでもあるのだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2017年4月30日
読了日 : -
本棚登録日 : 2017年4月30日

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