正しい愛と理想の息子

著者 :
  • 光文社 (2018年11月20日発売)
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本棚登録 : 467
感想 : 75
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なんとなく表紙がBLっぽいと思ったらほんのりBL。でも主軸はそこではなく、親子の愛情や、アイデンティティーの話。

文章で読んでいると沖くんにイライラしてしまう。また、沖くんが美形と言う設定は要るのだろうか。まぁロマンス詐欺みたいなことをやっているから、そこの導入で必要なのか。

主人公は沖くんとは違いリアリストで、沖くんが失敗した分のお金を稼ぐために詐欺をするのだけど、詐欺を仕掛ける相手のおじいさん、おばあさんが、どんどん心を許していく様が辛かった。主人公もその葛藤を持っているのが文章でわかるので、なおさら辛い。
沖くんだけが自分の居場所だと思っていたのが、最後は、前述のおばあさんの所とか、薬局の徳子さんとか、他のつながりを見つけられた(気づいた)のかなと思う。良かった。

お父さんはもっと活躍するかと思ったが、あくまでも第三者的な感じ。主人公の元同級生の、民生委員の娘さんが結構いい感じだった。

蝶の標本で話が解決するところなど、少し伊坂幸太郎ぽいと思った。あと所々の暴力的な描写も(偏見入り)。暴力シーン苦手なので、次はほんわかした話が読みたい。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月22日
読了日 : 2023年8月20日
本棚登録日 : 2023年8月20日

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