貧困理論入門

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  • 堀之内出版 (2022年5月25日発売)
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[第1章] 「貧困」とは何か――諸概念の整理
  貧困理解の前提となることばの整理
  貧困概念とは「貧困の意味内容」のこと
  貧困の定義とは「貧困と非貧困の区別・境界」を言語化したもの
  貧困の測定とは「貧困の広がりと深刻さの計量」
  「格差」「不平等」「貧困」の概念的区別
  階層論と階級論
  貧困概念は人びとの要求によって拡大してきた
  貧困理論の学説史に関する概要説明

[第2章] 絶対的貧困理論
  ブースの貧困調査と貧困の捉え方
  ブースの調査研究にひそむ「分断と統治の論理」
  ラウントリーの貧困研究と貧困調査
  「絶対的貧困」の概念
  ブースとラウントリーの相違点の整理
  「絶対的貧困」から考える現代日本の生活保護

[第3章] 相対的貧困理論
  相対的貧困理論の考え方
  相対的剝奪概念から定義づけられる貧困
  ベヴァリッジ体制の成熟とタウンゼントの貧困理論
  タウンゼントの貧困理論
  「普通の生活」と「社会参加」
  タウンゼントの貧困理論と現在
  「相対的剝奪」と「相対的貧困」に関する補足説明

[第4章] 社会的排除理論
  社会的排除とは
  EUの社会政策と「社会的排除/社会的包摂」
  「社会的排除」概念が一般化した社会背景
  「自由」と「自己決定型社会参加」
  「自己決定」を可能にする「自由」
  「自由」の実質的広がりを規定する三つの要素
  自由獲得の歴史
  自由拡大の担い手
  「権利の擁護」と「権利の保障」

[第5章] 「自由の欠如」と現代日本の貧困問題
  本章の目的
  自由の平等と幸福
  貧困と差別、および貧困者への差別
  権利の有用性および有効性と自己決定の限界性に関する検討
  「子どもの貧困」問題
  「経済的投資アプローチ」と「Well-beingアプローチ」
  普遍主義と脱商品化
  社会的包摂と社会参加

[第6章] 階層論的貧困理論と階級論的貧困理論
  「あってはならない生活状態」再考
  階級論的(資本‐賃労働関係)視点の必要性
  失業者対策と相対的過剰人口対策
  日本の労働者階級と階級意識の喪失という問題
  無所有に対する抵抗

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022.07
感想投稿日 : 2022年7月10日
読了日 : 2022年7月19日
本棚登録日 : 2022年7月10日

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