漂流教室 (1) (小学館文庫 うA 11)

著者 :
  • 小学館 (1998年7月17日発売)
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感想 : 162
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小島秀夫監督のおすすめで全六巻読了。

敵が、大人、幻覚、病気、内部抗争、とさすが週刊誌で掲載されているだけあり圧巻の展開。
最後に共存する道を選んだのは素晴らしい幕引きでした。

荒廃した世界をテーマにした作品はその後多々生み出されますが、今でも輝きが色あせない傑作と言って良いと思いました。もちろん、気性が荒すぎる登場人物の人間性や、無理がある展開も散見しましたが、それは週刊誌の宿命でもあるのかなと思います。映画など長編でまとまったストーリーを作れる作品であったなら違ったと思います。

私としては、それまでの生活を奪われ、あらたな生活を選んだ作品としては「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と通ずるものを感じました。
SF的には過去を変える、未来を変える、という選択肢もあったと思いますが、受け入れて乗り越えるという、非常に人間らしい困難との立ち向かい方が素敵でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月23日
読了日 : 2023年1月15日
本棚登録日 : 2023年1月15日

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