さらざんまい (下)

  • 幻冬舎コミックス (2019年8月7日発売)
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本棚登録 : 98
感想 : 5
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切れても何度でも繋ぎ直すミサンガ
今日誰かと繋がっていなくても、いつかまた繋がる時がくるかもしれないという優しさを感じた。
ずっと三人はハッピーエンドなわけではなく希望と絶望を受け入れた彼らはまた衝突しながらも繋ぎ直していくのだろう。

気になる所があるとしたら、レオとマブの復活があまり理解できなかった。
悠が誓の死という絶望を受け入れて、それでもなお未来に進んでいく中、安易な復活でいいのか…?という疑問が拭えない。
繋いだ手を例えいつか失うことがあったとしても、それでも大切な人と手を繋いでいこう、という話だと思っていたから…生き返ってしまってはその重さに欠ける気がした。
あと個人的には、悠が3年後も誓のことを忘れて居ないという描写が少しでもあったらな…と思った。蕎麦久から目を背けて歩いて行ったからこそ余計に。喪失の痛みを忘れたり、何かの代用で埋めたりするのは違うと思った。あの日カワウソを撃って捨てた兄と繋がりたいという欲望をまた繋ぎ直して、それでも失ったものは戻らないという現実にそれがどうした!と言って欲しかった。どうしても絶望のとの向き合いの描写が足りないと感じてしまった。




「喪失の痛みを抱えてもなお、欲望を手放さないものだけが未来を手にできる」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年5月8日
読了日 : 2020年5月7日
本棚登録日 : 2020年5月7日

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